女は下着姿のようだか、どこがどうなっているのか下着にも水着にも見えない。例えるなら一個の肉の塊に近かった。 いや、“ハム”と言ったほうがわかりやすいかもしれない。

「手なら2000円、口なら5000円。それとも出て行く?」

   黙っていると、女は苛ついたように顔をしかめる。

「上を脱いで欲しいなら1000円、下を脱いで欲しいなら3000円、両方なら5000円だよ」

   酔った頭でも、計算が合っていないのがわかった。 間垣は手で女を追い払い、椅子の背もたれに深く体を預けると、そのまま意識を失っていった。

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